養育費は変更できるのか

一度決めた養育費も、事情の変更があれば金額の変更(減額・増額)を請求できます。民法880条は「事情の変更により協議または審判により養育費を変更できる」と定めています。

ただし、「気分が変わった」「最初から不満だった」という理由では認められません。取り決め後に発生した事情の変更が必要です。

減額が認められるケース

支払う側の事情

  • 収入が大幅に減少した(リストラ、会社倒産、病気など)
  • 再婚して扶養家族が増えた
  • 再婚相手との間に子どもが生まれた

受け取る側の事情

  • 収入が大幅に増加した
  • 再婚して再婚相手が子どもと養子縁組した

増額が認められるケース

子どもに関する事情

  • 子どもが進学して教育費が増加した
  • 子どもの病気・障害で医療費がかかる
  • 物価上昇で生活費が増加した

支払う側の事情

  • 支払う側の収入が大幅に増加した

受け取る側の事情

  • 受け取る側の収入が減少した(病気・失業など)

養育費変更の手続き

ステップ1:話し合い

まず相手と直接交渉します。合意できた場合は、新しい金額を公正証書で書面化しておきましょう。

ステップ2:養育費変更調停の申立て

話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所に養育費変更調停を申し立てます。

項目内容
申立先相手の住所地の家庭裁判所
費用収入印紙1,200円+郵便切手
必要書類申立書、戸籍謄本、収入資料
期間2〜4か月程度

ステップ3:審判

調停不成立の場合は自動的に審判に移行し、裁判官が金額を決定します。

減額請求をされた場合の対処法

相手から減額請求を受けた場合、以下の点を確認しましょう。

  • 相手の収入減少は本当か(給与明細・確定申告書の提出を求める)
  • 減収の原因は正当か(自己都合退職は認められにくい)
  • 再婚相手の収入はどの程度か
  • 子どもの生活に必要な最低限の金額はいくらか

安易に減額に応じず、調停の場で客観的な資料に基づいて判断することが大切です。

勝手に減額された場合

相手が一方的に養育費を減額した場合、未払い分は債務として残ります。公正証書や調停調書がある場合は強制執行も可能です。

まとめ

養育費の増減は正当な事情があれば認められますが、手続きを経ずに一方的に変更することはできません。事情が変わった場合は、早めに弁護士に相談し、適切な手続きを踏みましょう。