養育費未払いの現実

母子家庭で養育費を現在も受け取っているのは約28%。約7割の家庭が養育費を受け取れていないのが現実です。

「相手に連絡したくない」「どうせ払ってくれない」と諦める方も多いですが、法的な手段で回収できるケースは少なくありません。

未払い時にまずやること

1. 催促の連絡

まずはLINE、メール、電話で支払いを催促します。この際、やり取りの記録を必ず残してください。

2. 内容証明郵便

口頭での催促に応じない場合、内容証明郵便で正式に請求します。「○月○日までに支払いがなければ法的措置をとる」と記載します。

3. 履行勧告・履行命令

調停や審判で養育費が決まっている場合、家庭裁判所に履行勧告を申し立てられます(無料)。裁判所から相手に支払いを促してくれます。

強制執行(給与差し押さえ)

公正証書や調停調書がある場合、強制執行として相手の給与や預金を差し押さえできます。

給与差し押さえの特徴

  • 給与の手取りの半分まで差し押さえ可能(通常の債権は4分の1)
  • 将来分も一括で差し押さえ可能(毎月の未払いのたびに手続き不要)
  • 相手の勤務先に直接支払いを命じる

手続きの流れ

  1. 公正証書の場合は送達証明書執行文を公証役場で取得
  2. 相手の住所地の地方裁判所に強制執行を申立て
  3. 裁判所が相手の勤務先に差押命令を送達
  4. 勤務先から直接あなたの口座に振り込まれる

相手の勤務先がわからない場合

2020年の民事執行法改正で、第三者からの情報取得手続きが利用できるようになりました。

  • 市区町村 — 相手の勤務先情報を照会
  • 年金事務所 — 厚生年金の加入先から勤務先を特定
  • 金融機関 — 預金口座の有無と残高を照会

これにより、相手が転職して行方不明になっても追跡が可能です。

取り決めがない場合

そもそも養育費の取り決めをしていない場合でも、後から請求できます。家庭裁判所に養育費の調停を申し立ててください。過去の分を遡って請求することは難しいですが、申立日以降の養育費は認められます。