別居を始める前に知っておくべきこと

離婚を決意した場合でも、すぐに離婚届を出すのではなく、まず別居から始めるケースは少なくありません。別居には冷却期間としての意味もありますが、法的な影響もあるため慎重に進めましょう。

別居の主なパターン

  • 話し合いの上での別居 — 双方合意のもとで別居する
  • 一方的な別居 — 配偶者に黙って家を出る(DVやモラハラの場合はやむを得ない)
  • 家庭内別居 — 同じ家に住みながら生活を完全に分ける

別居中の生活費(婚姻費用)

別居中でも法律上の夫婦関係は続いているため、収入の多い方が少ない方に婚姻費用(生活費)を支払う義務があります。

婚姻費用の目安

裁判所が公表している婚姻費用算定表で、双方の収入と子どもの人数・年齢に応じた金額を確認できます。

年収(支払う側)子どもなし子ども1人(0〜14歳)
400万円4〜6万円6〜8万円
600万円6〜8万円8〜10万円
800万円8〜10万円10〜14万円

※受け取る側の年収が0〜100万円の場合の概算

婚姻費用を請求する方法

  1. まず相手に直接請求する
  2. 応じない場合は家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てる
  3. 調停不成立の場合は審判に移行する

重要: 婚姻費用は「請求した時点」からしか認められないのが原則です。別居を始めたらすぐに請求しましょう。

別居期間はどのくらい必要か

法律上「何年別居すれば離婚できる」という明確な基準はありません。ただし、裁判離婚では別居期間が重要な判断材料になります。

  • 3〜5年以上の別居 — 「婚姻関係の破綻」として認められやすい
  • 有責配偶者の場合 — より長期の別居(7〜10年以上)が求められる場合がある

別居時にやるべきこと

  • 住民票を移す — 郵便物の転送手続きも忘れずに
  • 共有財産の状況を記録 — 預貯金残高、不動産の評価額などをコピーしておく
  • 証拠の確保 — DV・モラハラ・不倫の証拠は別居前に集めておく
  • 子どもの学校への連絡 — 転校が必要な場合は早めに手続き

別居中にやってはいけないこと

  • 子どもの連れ去り(相手の同意なく連れ出すとトラブルになる)
  • 共有財産の使い込み(後の財産分与で不利になる)
  • 新しい交際相手と同居(不貞行為とみなされるリスク)

まとめ

別居は離婚に向けた重要なステップですが、婚姻費用の請求、財産の把握、子どもへの配慮など、法的・実務的に準備すべきことが多くあります。弁護士に相談しながら計画的に進めることをおすすめします。