株式・投資信託は財産分与の対象か

婚姻期間中に取得した株式・投資信託は、名義に関わらず財産分与の対象になります。ただし、婚姻前から保有していたものや、相続・贈与で取得したものは特有財産として対象外です。

対象になるもの

  • 婚姻期間中に購入した株式(日本株・外国株)
  • 婚姻期間中に積み立てた投資信託
  • 婚姻期間中に開始したNISA・つみたてNISA
  • 婚姻期間中に取得したストックオプション

対象にならないもの

  • 婚姻前から保有していた株式
  • 相続・贈与で取得した株式
  • 婚姻前の資金で購入した株式

株式・投資信託の評価方法

上場株式の場合

上場株式の評価は、原則として基準日の終値で行います。基準日は以下のいずれかが使われます。

  • 別居日
  • 離婚調停申立日
  • 口頭弁論終結日

実務では別居時の時価で評価するのが一般的です。

投資信託の場合

投資信託は**基準価額 × 口数 − 信託財産留保額(売却手数料)**で評価します。

非上場株式の場合

非上場株式(自社株など)は時価の算定が複雑で、以下の方法があります。

  • 純資産価額方式 — 会社の純資産を基に評価
  • 類似業種比準方式 — 類似の上場企業を基に評価
  • 配当還元方式 — 配当金を基に評価

非上場株式の評価には専門家(公認会計士・税理士)の協力が必要です。

分割の方法

方法内容メリット
現物分割株式を実際に分ける将来の値上がり益を享受できる
代償金方式株式を持つ側が相手に金銭を支払う手続きが簡単
換金分割株式を売却して代金を分ける公平に分割しやすい

最も一般的な方法

実務上は代償金方式が最も多く採用されています。株式を保有している側が、評価額の2分の1を現金で相手に支払います。

税金の注意点

株式を売却して分ける場合

株式を売却すると、売却益に対して約20%の譲渡所得税がかかります。売却益は「売却価格 − 取得価格」で計算されます。

株式をそのまま移転する場合

財産分与として株式を移転する場合、受け取る側には課税されません。ただし、移転する側に譲渡所得税がかかる場合があります(移転時の時価が取得価格を上回る場合)。

NISA口座の注意点

NISA口座の株式を相手に移管することはできません。一度課税口座に移してから移管するか、売却して現金で分与する必要があります。

隠し資産の調査

配偶者が証券口座を隠している可能性がある場合、弁護士を通じて弁護士会照会調停・裁判での調査嘱託を利用して口座の有無を調査できます。

まとめ

株式や投資信託は価格変動があるため、基準日の設定と評価方法が重要です。高額な金融資産がある場合は、弁護士や税理士に相談して適切に分与を進めましょう。