離婚すると年金はどうなるのか
離婚は年金に大きな影響を与えます。特に**配偶者の扶養に入っていた方(第3号被保険者)**は、離婚後の年金制度の切り替えが必要になります。
離婚後に必要な年金手続き
第3号被保険者だった場合
配偶者の扶養に入っていた方は、離婚後に以下のいずれかに切り替える必要があります。
| 離婚後の状況 | 年金の種類 | 手続き先 |
|---|---|---|
| 会社員・公務員として就職 | 第2号被保険者(厚生年金) | 勤務先 |
| 自営業・パート・無職 | 第1号被保険者(国民年金) | 市区町村役場 |
手続きの期限: 離婚後14日以内
国民年金の保険料
第1号被保険者になった場合、**月額16,980円(2025年度)**の保険料を自分で支払う必要があります。
保険料を払えない場合
所得が低い場合は保険料の免除・猶予制度を利用できます。
| 免除区分 | 条件 | 将来の年金への影響 |
|---|---|---|
| 全額免除 | 前年所得が一定以下 | 満額の1/2が反映 |
| 3/4免除 | 前年所得が一定以下 | 満額の5/8が反映 |
| 半額免除 | 前年所得が一定以下 | 満額の3/4が反映 |
| 1/4免除 | 前年所得が一定以下 | 満額の7/8が反映 |
免除を受けても年金がゼロになるわけではなく、一定額は反映されます。ただし、追納しないと将来の年金額は減少します。
年金分割
離婚時に最も重要な年金の手続きが年金分割です。
年金分割とは
婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録を分割する制度です。分割を受けた側は、将来の年金受給額が増加します。
請求期限
離婚から2年以内に請求する必要があります。この期限を過ぎると、原則として年金分割はできなくなります。
年金分割の効果
年金分割によって増える年金額の目安は月額1〜3万円程度です。婚姻期間が長いほど効果が大きくなります。
離婚後の年金額シミュレーション
ケース:専業主婦20年間の場合
年金分割をした場合としない場合の比較:
| 項目 | 年金分割なし | 年金分割あり |
|---|---|---|
| 基礎年金(満額) | 約68,000円/月 | 約68,000円/月 |
| 厚生年金 | 0円 | 約20,000〜30,000円/月 |
| 合計 | 約68,000円/月 | 約88,000〜98,000円/月 |
年金分割で月2〜3万円増えるだけでも、年間で24〜36万円の差になります。
老後の年金対策
離婚後は老後の年金が十分でない可能性が高いため、早めの対策が重要です。
1. 厚生年金に加入する
正社員として就職し、厚生年金に加入することで将来の年金額が増えます。パートでも一定の条件を満たせば加入できます。
2. iDeCo(個人型確定拠出年金)
月5,000円から積み立てでき、掛金が全額所得控除になります。老後の備えとして有効です。
3. つみたてNISA
少額から投資信託で積み立てができ、運用益が非課税になります。
4. 国民年金の追納
免除を受けていた期間がある場合、10年以内なら追納が可能です。追納すると将来の年金額が増えます。
まとめ
離婚後の年金問題は放置すると老後の生活に直結します。年金分割は2年以内に必ず手続きし、国民年金の切り替えも忘れずに行いましょう。